** せ ん ろ ば た **

阿賀野川


早いもので、磐西非電化区間にC57 180号機が走り始めてから15年目の春を迎えました。
当時まだ客レが走っていた頃、「ここに蒸気機関車が走ればいいのになぁ」と思っていた私は、
C57 180復活の噂を聞いたときには、夢のような話に心躍ったものです。

あれから14年、私は幾度もこの地へ訪れC57の勇姿をこの眼に焼き付けてきました。
時に最高の煙やライティングに歓喜し、あるときはイメージ通りの撮影が出来なく悔しい思いをしたりと、
一喜一憂しながらの14年間でした。それでも撮影後はいつも心地よい安堵感に包まれていました。
その理由のひとつに阿賀野川の雄大な流れがいつも傍にあったからだと思います。

阿賀野川は、福島県・群馬県に源流を持ち、新潟県を流れ日本海に注ぐ全長210Kmの日本第10位の河川で、
会津地方で阿賀川(又は大川)、新潟県に入ると阿賀野川と、幾度も名を変える大きな川です。
私はこの雄大な阿賀野の流れを「いつかモノにしたい」と前々から思っていました。


2014年5月10日、17時15分(快晴)。

私は麒麟山の頂上から、津川の町並みと滔滔と流れる阿賀野川を見下ろしていました。
岩山ゆえ遮蔽するものが無く、この時期にしては冷たい風が私の体を容赦なく通り抜けていきます。
しかし眼下に流れる阿賀野川はあまりにも雄大で、黄金色に輝く流れを眺めているとその寒さも忘れさせてくれます。

やがて新潟方面からの気動車列車がやって来ました。今日は2連のうち、1両は首都圏色のキハ40です。
それから数分後、鹿瀬方面からC57の汽笛が聞こえ、眼下のカーブを静々と津川駅へと進入していきます。

8233レはここで15分間停車し、その間に給水と整備を行います。ホームでは乗車されている方々が
機関車の撮影や見学など、思い思いに楽しまれている事でしょう。私も露出やアングルの最終確認を行います。

17時34分、C57の五室汽笛が山間に響き渡り、山陰から煙が立ち上がります。
さぁ、いよいよ津川劇場の始まりです。8233レが姿を現し、阿賀野の淵を沿うように進んでいきます。
車両は豆粒ですが白煙が西陽に照らし出され、その存在を誇示しているようにも感じます。
私はその列車を無心で追い続けました。15年分の感謝と思いを込めながら・・・

やがて、列車は長声を木霊させカーブの向こう山影へと消えていきました。


悠久の流れ
津川


15年目の春を迎えられた喜び、そしてこれから先への期待。
いつまでも走り続けて欲しいと願うと共に、
私自身いつまでもC57 180の雄姿と、雄大な情景を愛でたいと改めて思いました。

シャンパンゴールドに輝く悠久の流れに抱かれながら。

Nikon D3



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テーマ:鉄道写真 - ジャンル:写真

  1. 2014/05/14(水) 21:40:31|
  2. 磐越西線
  3. | コメント:4
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コメント

素晴らしい画面に素敵な文章をありがとうございます。

15年の感謝の賛辞、感動して読ませていただきました。

本当に磐越西線を愛する人だから書ける文に西日の捧ぐ阿賀野川の情景に圧倒されました。

続編も楽しみにしています。
  1. 2014/05/16(金) 06:48:48 |
  2. URL |
  3. popoman #n4jaW67w
  4. [ 編集 ]

C57 180

popomanさま、こんばんは。

こちらこそ賛辞を頂き、有難うございます。

C57180号機も復活して14年経つんですね。
当たり前のように走る。でも、これって凄い事なんですよね。
旧い機関車ゆえ、整備は大変でしょうし・・・
楽しませて頂いている事に感謝しないといけませんですね。
なので、今年も撮影だけでなく、乗車もしたいと思っております。
乗っても撮影ばっかりなんですが(笑)

いつもコメント頂き、誠に有難うございます。

  1. 2014/05/16(金) 22:58:17 |
  2. URL |
  3. いぬばしり #-
  4. [ 編集 ]

写真の神様

たゆとう阿賀野の流れの雄大さと共に、この場面に立ったいぬばしりさんの感動がストレートに伝わります。

阿賀野川はダム湖が繋がったようなものと思っているのですが、
大河の趣を感じさせるそれは、長年この土地を潤してきた大地の恵みも感じさせますね。
もちろん、鹿瀬の公害病という負の遺産を秘めているのも事実なのですが、そんな事も含めてこの土地と人間の関わりに想いを馳せました。

逆光に黒く沈む山肌、光るレール、たなびく煙。
大地と一体になって溶け込んだ鉄道の風景になりましたね。
こういう絶好のポジションを確保したいぬばしりさんの読みの勝利でもあるのですが、
写真云々より心のメディアに刻まれた一瞬ではなかったかと思います。

写真の神様が微笑みましたね。
  1. 2014/05/17(土) 10:27:10 |
  2. URL |
  3. 風太郎 #ORZvdv76
  4. [ 編集 ]

ありがとうございます

風太郎さま、こんばんは。
とても素敵なコメント頂き、誠に有難うございます。

磐越西線非電化区間の象徴と言えばやはり阿賀野川ですよね。
私は前からこの雄大な流れを表現したかったのですが、
チャレンジするもなかなかイメージ通りにはいきませんでした。
何というか「たゆとう」感がなかなか表現できなくて。
なので、何時しか諦めておりました。
でも今回の撮影行では「よし、阿賀野の流れを撮ろう!」と決心しました。
理由は・・・風太郎さまの「大久保雲海」なんですよ(笑)

本来、私はあまり俯瞰好きではないのですが
あのお写真を拝見したときに、鳥肌が立ちました。
自然を表現するにはやはり高みは有効かと・・・

そこで麒麟山登山にチャレンジすることにしまして。
本来ここは往路を撮影するに適した場所なんですが、
あえて復路をという事で狙いました。
まぁ、得意の逆光好きという事で。

でも、水面の波目が順光では見れないほど美しく、
私のイメージする「たゆとう感」がそこにあるんですよ。
もう嬉しくなって誰も居ない山頂で一人興奮していました。
そして汽車が去った後、いつまでも阿賀野の流れを見てました。
「磐西いいなぁ~」ってしみじみ感じながら。

写真という表現媒体を使ってもう随分経ちますが、
これからも神様が微笑むようチャレンジしたいと思います。
風太郎さまの平成の磐西も覗いてみたかったりして(笑)







  1. 2014/05/17(土) 22:23:10 |
  2. URL |
  3. いぬばしり #-
  4. [ 編集 ]

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